ビーシュリンプの飼育で、一番の謎死因編です
エビは時々、急にお★様になってしまうことがあります。
長く生きてくれた個体でしたら
寿命かな~と思えるんですが
若くして死んでしまうと心配になってしまいますね。
原因がわかる場合はすぐに対処も出来るんですが
大体が原因がわからないことのほうが多いと思います。
ビーシュリンプの死因考察
- 輸送前~輸送中に弱っていた
- 水合わせが十分でなかった
- 残留農薬によるダメージ
- プラナリアや寄生虫等の混入
- 水槽のある部屋で蚊取り線香を使った
- 水槽のある部屋でバルサンを使った
- 水槽のある部屋で殺虫剤を使った
- 窓を開けっぱなしにしてたら近所の農薬が入ってきた
- 近所で外壁の塗装をしてた
- ソイルのブレイク
- 雑菌の繁殖
- 重金属等の混入
- 硫化水素の発生
この他にも沢山の原因が考えられると思いますが
実際、私が飼育してる中で感じた部分を掘り下げて書いてみます。
生体購入時における注意点
上記の場合は水槽に入れて直ぐにはわかりませんが
1週間以内に死んでしまうことが多いです。
オークション等で購入を検討してる方は
なるべくダメージの出にくい春・秋の購入がオススメです。
後は評価を見て検討してみてください
お店で買う時もなるべく入荷後1週間以上経過したエビを買うと
安心できると思います(店員さんに聞いてください)
水合わせですが、飼育環境によってPHやTDSや微生物の環境等も違いますので
自分の水槽の水に慣れさせる為、
なるべく時間をかけてゆっくりと水合わせをしてあげてください。
最初のウチは1時間以上かけて水合わせするほうがいいと思います。
水合わせに関しましては、過去記事をご覧ください。
水草等を水槽内に入れる際の注意点
エビは農薬に非常に弱いです
少しでも農薬が残っている場合はその日のウチに
暴れまわって死んでしまいます。
プラナリアや寄生虫は数が少ないウチはそれほど被害はありませんが
餌等の環境で増殖した場合は、エビちゃんに被害が出ます。
このほかにもヒルの仲間やヤゴなんかも、たまに卵でついてきます。
水草を入れる場合は必ず「水草その前に」や「炭酸水」等でトリートメントしてから
入れるようにしてください。
住居に関する注意点
ポツポツ死と違い大量死の場合は必ず明確な原因があります。
1週間以内の間に何をしたかを考えると
色々と原因は見えてくると思います。
バルサンや蚊取り線香等を使った場合は
水槽内に成分が溶け出す可能性が大いにあります。
水槽に化学薬品等が混入しますと
ビーシュリンプ等の生体自体もダメージを受けますが
それ以上にバクテリア等がダメージを受けます。
こういう場合はエビの動きが悪くなってポツポツ★が出ます。
そうなると完全に水槽をやり直さないといけなくなります。
水槽には出来る限りフタをして、窓は極力開けないほうが安全です。
ソイルのブレイクと雑菌による注意点
ポツポツと毎日のように1匹・・・1匹・・・と
エビが死んでいく場合は、原因追求が難しいことが多いです。
長く生きてる個体がたまたま死んだ場合は
きっと寿命だったと思い込めますが、それ以外の場合は??
以前の記事でも書きましたが
よくあるポツポツ死は、水槽崩壊の前触れだったりします。
ソイルがブレイクが近づいてきて
微生物等の生態系バランスが崩れてきた為に起こることが多いです。
この場合はリセットしたり別水槽に移動させるなどします。
この他に夏場によくおきるポツポツ死ですが
こちらの場合は雑菌等が原因だと考えております。
水槽内にはすでに色々な種類の菌が繁殖しておりますので
急に違う菌が水槽に入ったとしても
他の菌に駆逐されるか細々と生活してる程度だと考えております。
また、菌には菌の食物連鎖もありますので
現在の水槽の飼育環境に適した菌だけが生き残ります。
これらの菌はエビには無害な事が多いのだと思います。
しかし、通常では死滅する菌や細々と活動していた菌も
温度がある一定以上になると菌は活発に繁殖しだすことがあります。
エビはエラ呼吸をしますので、エラから菌を体に取り込んでしまい
それが害のある菌の場合は体が弱ってしまい
ポツリ・・・ポツリ・・・と死んでしまうのではないかと推測します。
元々自然界では、多種多様な菌とくらしてきたエビですので
その時代の固体達は、体にそれなりの免疫のようなものを持っていたと思います。
しかし水槽内の閉鎖的な環境で累代を重ねた今のエビたちは
エラの退化や免疫の退化等で多種多様な菌に抵抗する力が
無くってきているのだと思います。
よく皆さんが言う、「昔のエビ達は強かった」と感じるのは
上記のような理由からかもしれません
・なるべく水槽に手を入れない
・入れる場合はしっかり手を洗う
・洗った後にタオルは必ず新しい物を使う
・悪い菌を駆除出来るような善玉菌を入れる
・水温を24度以下に保つ等・・・
こんな感じで予防は出来ると思います。
重金属等の混入についての注意点
エビは重金属類の中で、特に酸化第二鉄や酸化第三鉄には弱いです
酸化第二鉄や酸化第三鉄は簡単に言いますと「赤錆」です。
赤錆はエビのエラの粘膜を弱らせますので
微量でもダメージが出ることが多いです。
エラの粘膜を弱らせたり、エラに付着することで呼吸障害がおきます。
量が増えるにつれてどんどん弱っていき
最終的には呼吸困難で死んでしまいます。
この赤錆は、水道管や蛇口等にも微量についていることもあり
特に蛇口をひねって直ぐの水は赤錆が付着してることが多いので
なるべく少し水を出しっぱなしにしてから、水槽に水を入れるほうがいいです。
出来るなら重金属を除去してくれる物を足し水や飼育水に入れる方が
安心だと思います。
市販の餌等で固形の餌をエビにあげる場合ですが
あまりにも硬くて手で割れないものを切る場合は
ニッパーやハサミ・カッター等を使うと思いますが
たまに錆びてることがあります。
この状態で餌を水槽に入れると
直接エビが赤錆を摂取してしまうこととなり
かなりの確立でポックリいっちゃいます。
基本的にRO水の飼育の場合は問題無いと思いますが
水道水や井戸水・湧き水を使う場合は
特に赤錆には気をつけるとポツポツ死は減ると思います。
マンション等にお住まいの場合は
水道管から直接、各家庭に水が来ず、一度貯水タンク等に水が入れられますが
この貯水タンクが古い物だったりしますと内部にサビがあったりします。
人間が飲む分にはクリア出来る数値でも
エビとなるとまた別ですので、調べれない場合は重金属除去剤が必要だと思います。
また、赤錆は土壌にも多く含まれておりますので
土から作るソイルにも微量に含まれている可能性が高いです。
土の色は主に有機物と鉄の化合物等で色が形成されております。
黒い土は土壌に含まれる有機物がもっとも多いとされてます。
アクア用のソイルが黒色が多いのは上記のように
水槽を立ち上げるに適した有機物が沢山入ってるからですね。
赤色や黄色っぽい土は、赤錆が作用してるとされてます。
もしお使いのソイルが赤や黄色でしたら
赤錆が溶解する可能性があると思います。
黒色のソイルにも赤錆はまったく無いわけでは無いと思いますので
長い月日をかけてソイルから出てる可能性はあります。
あくまでも微量だと思います。
こういう風に書いてしまいますと
ソイルを使うと良くないんじゃないかと思ってしまいますが
シュリンプ飼育におきましては
ソイルを使うメリットのほうが大きいので
私はソイルを使い続けますよー!
ですのでソイルにも色々と種類がありますが
きちんと成分等を調べてから使うようにしてください。
硫化水素の発生による注意点
硫化水素は毒性が強く人にも危険な物質です
人に危険なくらいですから、小さいエビには微量な発生でもOUT!ですね。
硫化水素が発生すると水槽の水が臭くなります。
よく卵の腐った匂いとか言われてますが
匂いがした時点でかなり発生してますので
その時点でエビは大量死します。
以前の記事でも書きました生物ろ過の工程ですが
アンモニア → 亜硝酸 → 硝酸塩
上記のようにバクテリアが物質を変えていってくれるのですが
硝酸塩は嫌気環境において硝酸還元細菌により窒素へと
還元(脱窒)してくれることがあります。
嫌気環境とは酸素の少ない状況ってことなんですが
止水域や厚く敷いたソイルの中とかですね。
窒素自体はエビにほぼ無害で空気中に放出されますが
嫌気環境の中でも更に酸素が少ない状態の場所では
編性嫌気性細菌等により硫化水素を発生します。
硫化水素の発生には餌となる硫黄と水素が必要となります。
滅多にこのような状況にはならないと思いますが
ウチの水槽でも起こったことがあります。
普段は底面フィルターを使ってますので
ソイル内にも酸素がある状態となり
こういった嫌気環境はできにくいのですが
上部フィルターを使った水槽で厚く敷いた時に硫化水素らしき匂いがしました。
当然、エビはポツポツからバタバタへと変わり
リセットを余儀なくされました。
狙って作るにはかなり難しい環境ですので
滅多に無いかもしれませんが
なるべく止水域を作らないようにするなどして対策をするのも
大事かと思います。
まとめ
死因は今回以外にも沢山あるかもしれません。
あくまでも私が飼育してる中で、実際に原因究明したものを
書いてるだけに過ぎません。
お住まいの水道環境やろ過等によって結果は全然変わることがあります。
水槽の中は目に見えないような微生物達の絶妙なバランスで成り立ってますので
毎回同じ環境にはなりません。
何かいつもと違うと感じた時は
まずはエビをじっくり観察してください。
動きが悪かったり、餌を食べなかったり
色々なことが見えてきますので
そこから何かの処置を導きだしてみてください。